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原則消費者が不動産購入、売却する流れは日米間で大きな違いはないですが、アメリカでは不動産業者と多くの専門家との協業で一つの取引が行われています。購入者のローンの選択、事前審査を受ける際はモーゲージブローカー、購入物件の検査はインスペクター、購入物件の権利関係の調査はタイトルインシュアランス会社、そして契約後の決済、引き渡しまではエスクロー会社がそれぞれ行うことになっています。売却に関しても、売却に関する税金のアドバイスは税理士、売却物件の権利関係の調査はタイトルインシュアランス会社が行います。顧客の取引の安全性のため高度な分業化されたシステムになっています。

そのため米国の不動産会社の役割は、は主に物件購入者のための物件検索、物件売却者のための購入者探しに集中できるようになっています。つまり、お客さんのエージェントとして最適な取引ができるように尽くすのがアメリカの不動産営業の形です。

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日本では取引のプロセスは分業化されておらず、購入または売却依頼を受けて取引完了まで不動産業者のみが行うようになっています。物件調査は漏れのなく行いますがインスペクターという検査は一般に行われないため、引き渡し後に物件の瑕疵が発覚した時にも責任はどこにあったか問題になることもあります。日本の不動産業者は権利関係の調査、物件調査、重要事項説明書の作成(アメリカでいう、『物件情報開示書 Transfer Disclosure Statement』売買契約書作成、決済、引き渡しまでを完結させます。取引後の不動産の登記は司法書士が行います。